2012 / 11 月
個展「日々のスケッチより」
堤側庵ギャラリー [三重県 名張市]
堤側庵ギャラリーでは、三回目の個展を開催させて頂く運びとなりました。
六年前の展覧会では、禅や老荘思想に因る「牛」のシリーズを、三年前には初期制作を中心に「幾何学の美しさ」をテーマとした作品をご覧いただきました。
この二つの展示で、私の仕事の方向が大きく異なると感じられた方もおられた事と思います。作品テーマや作風の推移は、私の生活環境の変化に起因します。
1985年12月──私たちは凍てついた青山高原の山頂付近で生活を始めました。私にとっては一大決心をして都会生活から脱却したのです。
この地の美しい自然に魅せられて、それを表現することは必然的な流れでした。二十六年前から今も続いている野外スケッチの習慣は、「十牛図」制作を始める発端にもなり、悠然たる大自然の懐で暮らしたい私の生活の一部にもなっています。
どうぞ、ご高覧ご批評賜りますよう、宜しくお願い申し上げす。
〈杉井観峯〉